発進!! 「山形発・地元ナース養成プログラム」

1.大学GPとしての「山形発・地元ナース養成プログラム」
本学は、昨年度、「山形発・地元ナース養成プログラム」を文部科学省課題解決型高度医療人材養成プログラムに申請し、選定を受けました。課題解決型高度医療人材養成プログラムとは、「我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して、科学的根拠に基づいた医療が提供でき、健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医療人材を養成するため、大学自らが体系立てられた特色ある教育プログラム・コースを構築し、全国に普及させ得るべく、これからの時代に応じた医療人材の養成に取り組む事業を選定し支援する補助事業」です。看護系大学の部門では、本学を含め全国で5つの大学が選定を受けています。
「山形発・地元ナース養成プログラム」は、超高齢化と人口減少が進展し、かつ医療資源と公共機関が少ない地域の住民が頼りとしている、地元の小規模病院・診療所、高齢者施設の場(以下、小規模病院等)で、地元住民の多様な健康問題に幅広広く対応(含む訪問看護機能)できる「地元ナース」養成のための体系的取り組みを行うことを目的としています。この「地元ナース」は、本事業のために本学が創った用語です。
「山形発・地元ナース養成プログラム」では、学士課程教育における地元医療福祉の内容強化、双方向性のInformation and Communication Technology;ICTを利用した小規模病院等看護職対象のリカレント教育と看護研究相談・支援、小規模病院等看護職と大学教員の人事交流、看護実践研究センターの創設と活動推進、等を行っています。このプログラムでは、現在5つの病院等と協力体制を組み事業検討を進めています。一方、リカレント教育受講や看護研究相談・支援については、協力病院に限らず山形県内の小規模病院等すべてを対象とした事業展開を行っています。
今回の高等教育機関ナビでは、リカレント教育の一環である「小規模病院等看護ブラッシュアッププログラム」を紹介します。

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2.小規模病院等看護ブラッシュアッププログラム
このプログラムは、学校教育法第105条に対応した120時間(80回)の体系的教育であり、修了者には履修証明書が発行されます。プログラム内容は、ニーズ調査に基づいて本学が編み出したものであり、「看護の動向と課題」「根拠に基づく看護」「地域密着連携」「看護研究の基礎」の単元から構成されています。80回中44回分は、病院や自宅のパソコンを利用してリアルタイムで受講することもできる仕組みとなっています。
当初、120時間全履修5名、単元履修2名、という控えめな目標を設定していたのですが、120時間全履修8名、単元履修27名との嬉しい結果になりました。また、ICT試行を目的に一部履修している看護職も山形県内全域に30名います。
今後は、プログラム内容を検証・充実していくとともに、大学から遠隔地にあることも多い小規模病院等の看護職の教育機会を拡げるICT利用の本格化を進める予定です。
この「高等教育機関ナビ」を読んでくださった皆様、そして、大学コンソーシアムやまがたの会員の皆様の本事業への応援を心からお願いいたします。

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山形発・地元ナース養成プログラム