「コミュニティデザイン学科」と「やまが炭」がグッドデザイン賞を受賞!

東北芸術工科大学 デザイン工学部 コミュニティデザイン学科とグラフィックデザイン学科田中研究室がデザインを手がけた「やまが炭(製造・販売:長沢燃料商事)」が、「2018年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)」を受賞しました。グッドデザイン賞は、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨制度です。世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。

コミュニティ学科は「ふるさとを元気にするデザイン」を合言葉に、地域をより良くしたいという想いを持った学生のための教育プログラムをデザインしています。「目に見えないデザイン」(参加の場のデザインや、チームビルディング、モチベーションマネジメントなど)を専門としていることが特徴であり、従来の美大を志望するような若者だけでなく、より広く、社会とつながる形でデザインを学びたい若者(さらには社会人)の期待にも応えられる学科となります。今後、全国各地で活躍する地域(特にローカル)のリーダー的人材を生み出すことを目的に、人材育成に取り組んでいます。

芸術系大学の学科そのものが受賞することは珍しく、形ではなく関係性を地域でデザインするという在り方が、概念だけでなく実学として実現されており、これからのデザイン教育を考える上で非常に重要な取り組みだとの高い評価を受け、受賞となりました。

「やまが炭」は、山形県米沢市の良質な楢(なら)材を100%使用した黒炭となり、火付きがよく煙や炎も上がらず、少量で高い火力が得られ、火も長持ちする高品質の黒炭です。化石燃料の普及と共に需要が減った黒炭ですが、地域に眠っている森林の活用と、炭焼き文化を次世代へ繋ぐため、若い人や女性など新たなユーザーに向けた商品として、本学と株式会社長沢燃料商事で共同開発しました。「やまが炭」が広く使われることで、地域の森林保全と里山の維持、林業の後継者不足の改善、炭焼き文化の継承とともに、新たな雇用の創出が図られ、林業を軸とした循環型社会の創造を目指しています。

資源の調達、製品の製造、グラフィックのデザインまで、山形県内で全て完結している製品であり、ローカル、ソーシャル、エデュケーションという最近のグッドデザイン賞で求められる要素を全て実現したお手本のような製品だと高く評価されました。

グッドデザイン賞