林業経営学科を新設し「林業の次世代リーダー」を養成します

本県では、豊かな森林資源を森の恵みとして活かし、林業振興と地域経済活性化を図る取組みである「やまがた森林(モリ)ノミクス」を推進しています。このため、農林大学校においては林業の次世代リーダーを育成するため、平成28年4月に林業経営学科を設置しました。これにより学校名を山形県立農林大学校に変更し、稲作、果樹、野菜、花き、畜産、農産加工、林業の7つの経営学科となり、本県農林業を支える人材育成に取り組んでいます。
今年度設置された林業経営学科には第1期生15名が在籍し、講義や現地フィールドでの実習を通して、基礎的な知識や実践的な技術の習得に励んでします。最近の学生の学習や活動の様子を紹介します。

1 高性能林業機械実習
林業の現場においては、作業の効率化、身体への負担軽減等を図るため、伐倒、枝払い、玉切り、集積、集材作業において、「高性能林業機械」が導入されており、大きな役割を果たしています。今後の森林経営において更なる利用拡大が見込まれていますが、同時に重大事故につながる心配があるため、操作技術の習得と安全作業への判断力が求められます。このため、当校では「特別教育」を受講して、これら機械の資格を取得するとともに、現場の事業体においてインターンシップを行い実践力を高めました(写真左)。

2 「育てる林業」の学習
森林資源を将来にわたって再生可能な資源として利用するには、「造林・育林」「育てる林業」が必要です。このため、当学科では「森林の時間軸を考えた資源の循環利用の推進」を掲げ、「伐ったら、植える」のスタンスで学習に取り組んでいます。今年は実習林をはじめ最上地域の国有林等において植栽の実習を行いました。山形森林管理署最上支署が主催する「一貫作業システム」の現地検討会では、近年開発された「コンテナ苗(根付き苗で従来の裸苗よりも小型・軽量で植栽しやすい、初期生育が早い、植付けコストと再造林コストが低い)」の植栽実習も行いました(写真中)。

3 園児・児童への「森林」PR活動
当校では地域協働研究として、学生が主体となって地域の農林業の課題を地域の方々と連携して解決したり、園児や児童を対象とした農林業体験を行い、「食やいのちのまなび」を支援しています。今年、林業経営学科では地元の園児を対象に「森はともだち」というテーマで、どんぐりの播種、苗木の植栽を行い、森の大切さを感じてもらいました。また、10月22~23日に山形県総合運動公園で開催された「山形県林業まつり」で、学生が「木工クラフト教室」の補助を務め、参加した小学生らに森の面白さを体験してもらいました(写真右)。

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山形県立農林大学校