「スマート・テロワール」~食料自給圏の構築に向けて~

山形大学では、平成28年4月から寄附講座 食料自給圏「スマート・テロワール」形成講座を設置し、庄内地域に食料自給圏を構築するための取組みを行っています。この寄附講座では、地域内で食料自給圏をつくり、日本の里山の風景や文化を守りつつ、その農村や地域が地産地消の経済を発展させ、自立できるようなビジネスモデルを構築することを目指しています。

「スマート・テロワール」は、カルビー元相談役の故松尾雅彦氏が著書の中で提唱しているもので、テロワールは、フランス語の土壌や特徴ある地域などを表す「terre(テラ)」から派生した言葉に、英語のスマート(洗練された)を付けた合成語。目指しているのは、畑作と畜産の連携を図って農畜産物を生産し(耕畜連携)、さらに加工業者と一体となって厳選素材を利用した加工食品を製造し(農工一体)、地域内で販売・消費することで(地産地消)、全てを地域内で完結できる「循環型の経済圏」の形成です。

これまで、加工用畑作物の輪作体系の構築や規格外農産物を利用した豚の肥育試験に取組んでおり、農学部附属やまがたフィールド科学センターで肥育した豚肉は、地域の加工業者(株式会社東北ハム)のご協力により、ハムやソーセージに加工して、地元スーパーでの販売も始めています。また、6月28日から毎週木曜日に開催している「農場市」でも販売しています。
さらに、6月からはスーパーでの豆腐の試食も始めるなど、畑輪作体系において収穫された農産物も、地元の加工業者の協力により、畜肉と同様に美味しい加工品を地元の皆さまに提供できるよう取り組んでいます。