東北公益文科大学 × デジタルアーカイブ

本学がある庄内地方は、文化庁が指定する日本遺産に「出羽三山」「サムライシルク」「北前船」の3つが選ばれるなど、歴史的・文化的資産を多く有しています。本学では、文部科学省の平成29年度私立大学研究ブランディング事業採択をきっかけとして、それら地域資源や地域文化の伝承に、IT技術を活用して取り組む研究を進めています。

その研究の舞台の一つとなっているのが、鶴岡市にある松ヶ岡開墾場。ここは、明治維新以降、庄内藩の武士たちが刀を鍬に持ち替え、農地を開拓していった歴史を伝える施設で、明治8年創建の旧蚕室が保存され公開されています。学生たちは、メディア情報コース・広瀬雄二准教授の指導のもと、まずは松ヶ岡開墾場をドローンで空中から撮影することに着手。ドローンを思い通りに操縦できるまで相当の練習を積んだほか、松ヶ岡開墾場のパノラマ写真を作成するために、ドローンの最適な高さや角度を調整し撮影するなど試行錯誤を重ねました。さらに、PCに付いているカメラで顔を認識し、その動きに合わせて写真が左右にスクロールする仕組みを構築。パノラマ写真上で、開墾場を空中散歩することを可能にしました。

メディア情報コース教員と学生によるドローン操縦風景
ドローンで撮影した松ヶ岡開墾場

現在、学生たちが取り組んでいるのは、楽しみながら松ヶ岡の施設や歴史を知ってもらうためのゲームの開発。スマートフォンのGPS機能を使って、特定の場所に着いたらメッセージとキャラクターが画面に表示されるゲームで、ゲームを進めていくうちにキャラクターが成長していきます(ちなみに、キャラクターの名前は、蚕から連想して“ましろちゃん”)。ゲーム好きの若い人や、家族連れの人たちが子どもと一緒に遊んでもらえるものをめざしているそうですが、まだまだ学生たちの試行錯誤は続きそうです。

これらの研究は、松ヶ岡開墾場が150周年を迎える2021年に公開できるよう、今後もコンテンツ作成が進められる予定です。どんなコンテンツが出来上がるか、楽しみにお待ちください。