東北芸術工科大学では、4回目となる「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」を開催します。芸術監督に東京大学医学部附属病院・循環器内科助教の稲葉俊郎氏を迎え、令和2年9月に山形市で開催します。
稲葉氏は、現役の医師としてカテーテル治療などの最新医療を専門にしながらも、在宅医療や山岳医療にも取り組んでいます。また、最先端の西洋医学のみならず、伝統医療や民間医療、代替医療といった科学的根拠に基づかない医療も研究対象とし、さらには伝統芸能や民俗学、音楽や絵画などにも造詣が深く、幅広い分野で精力的な活動を展開しています。
「こころとからだの調和」をキーワードに、体が栄養をとるのと同様に、心もエネルギーをとる必要があるとの考えのもと、「芸術は正に心の食事である」と提唱。このような思想を記した出版や執筆活動が新しい芸術の捉え方として話題となり、アート界のみならず各方面での講演や対談・ワークショップ、テレビ番組などで紹介されるなど、ポジティブな意味で“型破りな東大病院医師”として注目されています。
平成26年度にスタートした本芸術祭は、「震災後の東北において、アートとデザインで何ができるか?」というコンセプトのもと、平成30年度まで2年に1回のペースで計3回開催してきました。
第4回となる次回は、新たなフェーズの始まりとして『山のかたち、命のかたち』をテーマに掲げ、現役の医師が芸術監督を務める、他に比類のないアートの祭典へと新しく生まれ変わります。「こころ・からだ・芸術」という視点を取り入れ、わかりやすい言葉や、観客の体験を通して芸術を翻訳しながら、地域と大学が共に創りあげる芸術祭に発展させていきます。
※山形ビエンナーレ2020の開催概要等は、改めてお知らせします。
■稲葉俊郎(いなば・としろう)プロフィール
1979年熊本生まれ
1997年熊本県立熊本高校卒業
2004年東京大学医学部医学科卒業
2014年東京大学医学系研究科内科学大学院博士課程卒業(医学博士)
東京大学医学部付属病院循環器内科助教を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員
東大病院では心臓を内科的に治療するカテーテル治療や先天性心疾患を専門とし、往診による在宅医療も週に一度行いながら、夏には山岳医療にも従事している(東大医学部山岳部監督)。
医療の多様性と調和への土壌づくりのため、西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。
国宝『医心方』(平安時代に編集された日本最古の医学書)の勉強会も主宰。
くらしや生活から医療を見直すため、民俗学の映像上映会も主催、企画(民映研の映像を主に使用)。
未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、民俗学、農業・・など、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている。
尊敬する人物は岡本太郎、横尾忠則、手塚治虫、河合隼雄、井筒俊彦、村上春樹、寺田寅彦、武満徹、葛飾北斎、南方熊楠、三宅一生、Leonardo da Vinci、Richard Buckminster Fuller、John Lennon、老子、荘子、ブッダ、美輪明宏、アントニオ猪木、など多数。
稲葉俊郎氏ホームページ https://www.toshiroinaba.com/
■お問い合わせ
東北芸術工科大学 地域連携推進課