私たち羽陽学園短期大学(略して「うよたん」)は、幼児教育科と専攻科福祉専攻、あわせて収容定員235人という小さな短大です。幼児教育科は二年間で幼稚園教諭と保育士の免許・資格を、専攻科は保育士資格を持つ人を対象として一年間で介護福祉士国家試験受験資格を取得できる課程です。学生のほぼ95%以上が山形県内の出身者で、約半数が村山地方出身、約20%が庄内地方、最上地方と置賜地方の出身者がそれぞれ約15%というように、県内各地から天童市にある本学に来てくれています。
幼児教育科の学生は、ほとんどが保育士の資格とともに幼稚園教諭の免許取得を目指します。さらに本学では、障害のある人々や年老いた人々を援助できる、人間の一生を見通す目をもって幼児と接することのできる専門家を育てたいと考えているので、幼児教育科の学生にも福祉施設での実習を求めています。専攻科ではさらに専門的に学修して、令和2年度修了生は12名全員が介護福祉士国家試験に合格しました。 附属園の子どもたちを招いて(本学講堂)
未曾有のコロナ禍に見舞われた令和2年度ですが、ほとんど県内出身者でしかも少人数という本学の特性を踏まえ、昨年5月下旬までは遠隔授業も実施しましたが、その後は感染予防を徹底しながら対面授業を基本としました。そこで、最も心配されたのは実習を学外で実施できるかどうかでした。本学には、山形市・天童市・鶴岡市に、5つの附属幼稚園・認定こども園・保育園がありますが、附属園だけで実習を済ますことはできません。コロナ禍で県外での実習は控えましたが、山形県で最も早くから幼稚園教諭・保育士・介護福祉士の養成を手掛けてきた間に築いた県内事業所との信頼関係に基づいて、保護者やご家族のご理解とご協力をいただいて、予定していた全ての学外実習を実施することが出来ました。その甲斐あって、令和2年度卒業・修了生の進路決定率は100%。首都圏などからの勧誘が旺盛な昨今でも、就職希望者の約80%以上(専攻科では100%)が県内で専門職として就職しています。
安全に遊ぶのも大事な学習のひとつ(本学グラウンド)
地域の保育士不足解消に協力するため、山形県の委託を受けて離転職者職業訓練生も受け入れていますが、令和2年度には7人の訓練生が無事卒業し専門職として就職しました。
地域に、女性も男性も活躍できる場があってこそ、次の世代が育っていきます。幼児教育・保育や介護福祉の仕事は、若い人々が安心して子育てに勤しみ、お年寄りが安心して過ごせる地域を維持するために欠かすことのできない重要な仕事です。先を見通すことの難しい時代ですが、こんな時こそ、「うよ短」は地元で働く人々を応援して参ります。
令和2年度卒業式を迎えた職業訓練生(天童市民文化会館)