スリーエム仙台市科学館と連携協定を締結

東北芸術工科大学は、 スリーエム仙台市科学館(所在地:仙台市青葉区台原森林公園/館長 石川由紀夫)と、令和3年4月1日より未来の科学技術を社会に伝え、未来の社会を担う人材の育成を協同で行うことにより、地域社会の発展に寄与することを目的に、連携協力に関する協定の締結を行いました。

協定に基づき、スリーエム仙台市科学館と本学は連携協力して以下の事業を行っていきます。

①未来社会につながる科学技術を子どもや大人に分かりやすく伝えるための展示を共同で行う。
②スリーエム仙台市科学館で行う博物館実習に本学の学芸員課程を履修する学生が参加する。
③スリーエム仙台市科学館で行う特別展等のイベントに本学の学生がボランティアとして参画する。
④スリーエム仙台市科学館の展示品等の維持管理に関し、本学の文化財保存修復研究センターが助言及び支援を行う。

今後、具体的な活動として、本学プロダクトデザイン学科の酒井聡教授が日本学術振興会の科学研究費を得て開発してきた「アドレッサブルスクリーン」※1 という画期的なプロジェクション方式で作成した“Magical Card”※2 の実証実験を行うために、4月より展示し、子どもを含め一般市民が体験できます。その他の連携活動も随時展開していきます。


「Magical Card」:プロジェクターから白無地のカードに投影した「トランプ」の絵柄が、カードを上下左右に移動しても、裏返しにしても、絵柄がカードに張り付いているかのように投影される。

※1 「アドレッサブルスクリーン」【動的に変化する形状に歪みなく映像投影するシステム】
近年、映像表現技術に大きな関心が寄せられています。特に東京駅などの建築物などに映像投影を行うプロジェクション・マッピングは多数見受けられるようになりました。しかし、プロジェクション・マッピングを行うには綿密な事前準備と専門的な知識が必要となります。そこで我々の研究開発グループでは、東北大学・仙台高専グループにより提案されている「ダイナミックプロジェクションシステム基盤技術の応用 ※3」 と、東北大学の協力により「動的に変化する三次元表面のリアルタイム計測を可能とするマーカー」を開発し、スクリーン面が変形しても映像が歪みなく投影できるスクリーン「AddressableScreen(アドレッサブルスクリーン)」の研究開発を行っています。このスクリーンは、カーテンや人体等の動的に変化する三次元表面を投影面として扱うことが可能であり、デジタル試着システムや建築物をスクリーンにする建材、新しい広告媒体などの応用が期待されます。

※2 “Magical Card”【カード型スクリーンのエンターテイメントシステム】                                           ※動作に関わる技術を「特許取得/申請中」
Addressable Screen project “Magical Card”(アドレッサブルスクリーンプロジェクト“マジカルカード”)は、Addressable Screen の研究開発から生まれた映像投影システムとカード型スクリーンの技術を用いたエンターテイメントシステムで、カード型スクリーンにさまざまな絵柄を映像投影することで、映像を手に持つというこれまでにない映像体験ができる高度な画像処理技術と映像投影技術。

※3 独立行政法人科学技術振興機構・研究成果最適展開支援事業フィージビリティスタディ可能性発掘タイプシーズ顕在化・平成22年度採択課題「高速・高精度3D画像センシングに基づくダイナミックプロジェクションシステムの開発」

▼スリーエム仙台市科学館 Web サイト