羽陽学園短期大学は、幼児教育科単科の短大で、保育士資格・幼稚園教諭二種免許状が取得できます。専攻科福祉専攻は県内で先駆けて介護福祉士の養成を行ってきました。幼児教育・保育と介護は本学の教育の両輪です。
それを示すように、短大の東隣には附属たかだま幼稚園が、西隣には別法人になりますが、地域密着型特別養護老人ホームたかだまが隣接しています。そして山形市には鈴川幼稚園、幼保連携型認定こども園鈴川第二幼稚園・このみ保育園、鶴岡市に幼保連携型認定こども園大宝幼稚園と附属園があります。それらに加えて、令和4年4月に新たに天童市の幼保連携型認定こども園天童なでしここども園が開園し、附属園に加わりました。
これらの附属園は、本学の実習協力園としてだけでなく、短大の教育理論を実践する実験教室的側面を持ち、教員が様々な形で保育現場と関わっております。
そうした部分は、実習以外の普段の授業にも多く反映されており、多くの授業が附属園の現場の協力のもと、保育現場での実践を取り入れて、学生の専門性を磨き、実践的な能力を育むのに役立っております。
こうした保育技能の実践力を大事にしてきたところは、本学の教育の一つの特徴で、地域のTV局と協力して行う子育て応援団「すこやか」などのイベント行事でも、中央の遊び場、工作教室の企画・運営、アンパンマンショーの合間に行われる「うよたんシアター」への学生の出演などに現れています。
(画像は「すこやか2019」より)
そして、そうした育った学生が、本学で取得した資格を活かして社会に出て、専門職への就職率が例年ほぼ100%であることも本学の誇りでもあります。
中でも先に紹介した隣接するたかだま幼稚園、地域密着型特別養護老人ホームたかだまは、学生が授業を通じて身近に実践力を養える場でもあります。
これまでも多くの授業で、附属園の協力のもと、学生たちが授業で学んだ成果を実践し、多くの学びを得てきました。
(子どもの生活と文化Ⅰ・影絵シアター発表会2020より)
もちろんこうした協力については、短大の側から一方的に行うものだけではなく、幼稚園の側からのリクエストに応えて行われていくものも多くあります。例えば、1年次の体育の授業では、夏に水鉄砲を使った水遊びがあり、幼稚園側から「是非、あの水遊びに園児たちも混ぜて欲しい」と要望があり、今年、実現に至りました。
講義系の授業で、「何歳児はどんなことができる」という知識は得ていても、実際、活動を共にし、自分の目で見て、実感しての気付いたものは大きく違い、学習過程においても、忘れがたい大きな学びになると思います。どんな風に誘うと一緒に遊んでくれるか、水をかけると泣いちゃうんじゃないかな?どう声がけするか、どう遊びを支援していくか、子どもが意欲的に活動に取り組んでくれるためには?様々な疑問の答えが、次々にダイナミックに目の前で展開されていきます。
授業が終わった後、学生からは「年長さんだとこんなにも上手に道具を扱えるんですね~」という感嘆の声や「小さい組の子どもでも水のかけ方の工夫次第で怖がらずにとても喜ぶんですね」という気づきの声を多く聞くことができました。そうです、これこそが学生たちの主体的な学びに繋がっていくのだと思います。そうした気付きこそ、我々教員が学生に提供していきたいものでもあります。また上級生からは「今年の1年生羨ましい、私たちの時にも園児たちと一緒に水遊びしたかった」という声も授業の後、聞かれました。
もちろん、バックグラウンドとしての知識や理論の重要性は疑う余地はありません。しかし、ややもすると現実が見えていない、想像だけの理解という事態も招きかねません。ですが、1年次の早い段階から園児たちと関わり、学んだことを実際見て、聞いて、感じて、実感を伴った理解にすることでより深く学べ、意欲的に学習に取り組めると考えています。
もちろんこうした取り組みを各教員個人レベルで進めるだけでなく、組織的な取り組みとして、所属教員の専門と研究テーマを各附属園にお知らせし、研究や保育実践についてより深く連携していこうとの取り組みを今年度から行っています。今後とも、附属園との連携を一層深め、附属園での保育・幼児教育の質を高めて、我々教員の資質向上だけでなく、学生の学習に反映させて、質の高い幼児教育・保育、介護従事者の育成に励んでいきたいと考えています。
羽陽学園短期大学HP
https://www.uyo.ac.jp/