より良い授業を実践するために ~ 全教員が参加する授業検討会 ~

本学では、学生を対象とした授業改善アンケートの実施、その結果の検討等をはじめ、各教員がより良い授業を実践するために、全教員が参加する授業検討会を年に2回実施しています。

今年度は、5月に、同じひとつの授業を全教員が参観し、検討会を実施しました。また、12月には、公開授業期間を1週間設け、予め告知している授業内容から自分の関心のある授業を各教員が選択して参観し、そこから得た学びを共有する検討会を実施しました。

5月に全教員が参観した授業は、「生活支援技術Ⅰ」(専攻科科目:内容「自立に向けた身じたくの介護『口腔ケア』」)。
本学は幼児教育科の単科短期大学ですが、専攻科福祉専攻も開設しており、学生は幼児教育、保育、福祉、介護を専門的に学ぶことができます。「生活支援技術Ⅰ」は3名の教員が担当する専攻科の授業で、①教科書と教員が作成した資料を基に基本的な口腔ケアを学ぶ、②学生同士が実際に3種類の口腔ケアの物品(歯ブラシ、スポンジブラシ、歯磨きテッシュ)を用いて演習する、➂グループで気付いた点等を発表しまとめる、という構成で実施されました。
得た知識を踏まえて、互いに介護する側とされる側の双方の役割を体験しながら真摯に学ぶ学生の様子を参観し、授業検討会では活発な討論が行われました。根拠に基づいた介護技術を学ぶことの大切さ、介護される側の恥ずかしさなどの心情を体感できる演習形式の授業の特性など、様々な観点からの意見が交わされましたが、特に、「幼児教育・保育」と「福祉・介護」の学びの繋がりを実感し、子どもから高齢者まで対応できる人材育成の意義を改めて確認する機会ともなりました。

12月の検討会においても、各教員が他教員の授業を参観した体験を踏まえ、様々な気づきが共有されました。自分の専門分野以外の授業内容や自分の担当科目との繋がりの把握をはじめ、学生が意欲的に取り組めるような働きかけ、学生の理解度に応じた授業構成の工夫など、自身の授業改善に活用できる学びを得る貴重な機会となった授業検討会。日々の業務で時間を確保することは容易なことではありませんが、授業改善に向けて全教員が共に取り組む姿勢を今後も堅持し、本学の特色であるきめ細かな指導を向上させていきたいと思っています。